2023.1月後半

すでに2月。年明けから始まったダイエット生活(といっても昼にサラダを食う、ご飯をおかわりしないでおかずをいっぱい食う)の甲斐あり2キロくらい痩せた。これからもぼちぼち頑張る。

ポケモンS2はぐちゃぐちゃになってて5万位くらい。次はパラドックス解禁だし楽しみ。ただ大好きなラウドボーンにとっては環境きつそうでヤダ。

Mリーグ、いよいよ終盤になって敗退がかかってきて重い、フェニックスというか魚谷どうにか見せ場作って欲しい。

ちょっと前の話になっちゃうけど芥川賞発表されたね。候補作は借りられなかった「ジャクソンひとり」以外は読めた。受賞作は納得。「この世の喜びよ」は前にレビュー書いた通り最高だったし、「荒地の家族」も重厚でよかった。今回は荒地の感想も簡単に書く。

 

読んだ本

今回はつまんなかったっていうのも書く。あくまでも個人の感想かつ、作品に対しての批評であって作者ほかの否定ではないので、怒んないでください。

 

荒地の家族

東日本大震災の被災から数年、妻を亡くした後に再婚するもそれも破綻し、息子と暮らす男の話。基本的には救いらしい救いがないけどそういうものだと受け入れざるを得ない状況が重くて読んでる方も苦しかった。田舎の町の閉塞感もしんどい。過剰な描写されると上滑りして冷静になっちゃうところだと思うけど、読ませる文章でそういうこともなかった。もちろんエンタメ的におもしれ~~って本じゃないけど、読んでよかった。

 

教養としての将棋 おとなのための「盤外講座」 (講談社現代新書)

ただいま王将戦真っ最中。将棋は指せないけど棋士のエピソードは結構好き。

羽生さんくっそいい人そうだし好き。まだまだ頑張ってほしい。「教養としての」って新書でよく見るタイトルだけど、やっぱりみんな教養が欲しいんだよな。他人と差をつけたい、逆に差をつけられたくない、目に見えない「教養」を蓄えて自分の価値を高めたいって思ってるんだろう。ちなみに読んで教養がついたかというと、とくにそんなことなくエピソードは面白かったな~って感じ。ただもしかしたらそういうものが教養なのかもしれない。

 

自転しながら公転する(新潮文庫)

文句ぶー垂れ。途中までは、主人公の心理描写にも納得しながら読んでたけど、ラストにもっていく流れがマジで無理だった。ちょっと丁寧だけどやってること恋空じゃんって感じでむちゃくちゃ萎えた(恋空読んだことないけど)。これは読まないでいいと思ってるのでネタバレ込みで書く。

出会った男がいい奴っぽいけど中卒だし、元ヤンだし、結婚してほんとに大丈夫なのかな???みたいな感じで好きになったり嫌いになったりを繰り返すんだけど、作中で軽い犯罪を犯すのね。主人公もそれにはドン引きして無理だって言ってるんだけど、なんか最終的には勢いで結婚してうまくいってよかったねで終わるわけ。アホくさくてぜんっぜん納得できないしイライラした。

中央公論文芸賞島清恋愛文学賞本屋大賞5位とか言うてて期待してたけどまじで時間の無駄だった。みんながこれを評価してるんだとしたら結構倫理観終わってると思う。

「人間いいとこ悪いとこあるのが普通で、そこを丁寧に書いてて偉い。現代のリアル。」的な評価なんだろうけど、俺の中で許せるラインを超えてたから全然許せない。

時間の無駄だったと思った。

 

鴨川ランナー

前回記事に書いた開墾地の作者のデビュー作。順番としてはこっちが先なんだけど、主題は開墾地と一緒で「異国に住むにあたっての苦悩」的なとこかな。ただ開墾地の方がより構造が多層になってたと思うので、次作で進化したんだなと思う。

鴨川ランナーでは単純に自分の苦悩を描くのに終始していたけど、開墾地では血のつながらない父という存在が追加されて、外国⇔自分っていう問題と父⇔自分の血縁っていう問題の2つが組み合わされてて上手いと思った。着地の持っていき方もよかった。

両方読んでいいと思うけど、どっちかだけを読むなら開墾地を読むといいと思う。

 

京都に咲く一輪の薔薇

フランスからある事情で京都にくることになった女性の話。鴨川ランナーと京都関連でセットということで借りた。

京都の寺社がどれだけ意味深で、ミステリアスなパワーを持ってるか、美しいのかっていうのを外国人の視点でひたすら描写される。京都に行きてえなと思ったけど中盤以降は若干食傷気味になっちゃったのと、小説として面白かったかというと微妙かなってなっちゃった。

 

目の見えない白鳥さんとアートを見にいく (集英社インターナショナル)

タイトルのとおり、目の見えない白鳥さんと美術館を巡るにあたって起きた出来事、思ったことのお話。押しつけがましい障害のある人には優しくしましょうってことではなく、言葉で美術作品を説明することの意義、それを楽しむ白鳥さんの感じていることがきちんと説明されていて納得感があった。カバー裏に仕掛けがあるんだけど、図書館で借りた本でカバーが閉じられていて開けなかったのだけちょっと残念。仕方ないけど

 

実録 脱税の手口 (文春新書)

タイトルみて、まさかとは思うけど脱税推奨の方法論書いてないよなと心配してたけど、もちろんそんなことはなくて脱税はバレるしバレたとき大変ですよって本で安心した。エピソードとしてはおもろいのも多かった。正直ものの納税マンの一員として国税局には不正を許さず頑張っていってもらいたいと思ってます。

 

コスパで考える学歴攻略法(新潮新書)

こいつまた学歴の話してんな。結論パは医学部。

お金がある都心部の親御さんは読んでみると参考になるんじゃないでしょうか。目標設定が東大とか海外大とかで高すぎて地方のクソ雑魚には直接的には参考にしきれないかなって感じだったけど面白かった。子供どころか結婚どころか彼女もいないのに将来の心配してる俺が一番滑稽で面白い。

 

ルポ 特殊詐欺 (ちくま新書)

最近話題の特殊詐欺。詐欺の受け子出し子から始まって、強盗を含めた凶悪犯罪に手を染める人らの流れを書いてる。金欠から闇バイトに手を出して、それをネタに強請られてタタキ(強盗)を指示されて実行してしまう、実行部隊には事情があって、真に悪いのは暴力団と関係しているであろう首謀者だっていう雰囲気を感じちゃった。

そりゃ首謀者が悪いけど、実行部隊も自分の身かわいさから他人にクソほど迷惑かけてるんだし同じくらい悪いと思う。倫理観より自分の利益を優先しているってことは信用する人間に足りえない。そういうことで兼近も俺はクソだと思うし、いざとなったらまた悪いことして自分の身を守るだろうと思ってるから、見たくない。過去倫理観より自己利益を優先した人間だっていう事実は消せない。

 

自由研究には向かない殺人 (創元推理文庫)

*第1位〈ハヤカワ・ミステリマガジン〉ミステリが読みたい! 海外篇
*第2位『このミステリーがすごい! 2022年版』海外編 
*第2位〈週刊文春〉2021ミステリーベスト10 海外部門
*第2位『2022本格ミステリ・ベスト10』海外篇 らしい。(公式サイトより)

賢い高校生が、自由研究として町で過去あった女性の失踪事件を調べていく。失踪とは言うがおそらく彼女は殺されていて、犯人は自殺した交際相手だったとされている。その交際相手の弟と協力して、過去の事件の真相を追う、みたいな感じ。

最初はドキドキしながら読めたけど、やることなすこと上手くいって、少し長いのもあって冗長的だった。ちょっとした波は来るけど、まあどうせうまくいくやろってなっちゃった。探偵が殺されることってあんまなさそうだしミステリって全部そうだよ、と言われたらその通りだけど。もうちょい山場を絞ってガーッと読める量にしてくれていればもっと良かったと思う。でもそうするとラストのカタルシスが減っちゃうからバランス難しいのかな。

 

蜜蜂と遠雷(上) (幻冬舎文庫)

蜜蜂と遠雷(下) (幻冬舎文庫)

恩田陸最高。青春書かせたらこいつが一番だよ。

登竜門的なコンクールに参加する4人のピアニストのはなし。ピアノのことはよく知らないけど、描写がうまいから4人の個性が感じられるし、その誰にも感情移入しちゃってくそハラハラしながら一気に読んじゃった。本当に面白いしみんなと共有したいから、ネタバレになりそうなことは書かないけど、まじでおすすめ。直木賞本屋大賞W受賞は伊達じゃない。

 

以上。半月記事書かないと長くなるし、もうちょっとだけ頻度上げてもいいかもしれない。上旬中旬下旬くらいで。