2023.2月上旬 地図と拳 ポケモン・ストーリー

前回のエントリのとおり、試しに上旬でまとめて書いてみることとす。

今日はえらく雪が降って大変だった。客は来ないけど雪かきが発生するのでもう降らないでほしい。

 

地図と拳 (集英社文芸単行本)

第168回直木賞受賞作。直木賞受賞作って今まで全然読んだことなくて、こないだ読んだ蜜蜂と遠雷以外は高校生の頃高円寺純情商店街読んだっきりだと思う。

受賞決まる前に図書館で予約していたのでいち早く読めた。今見たら予約30件くらいになっていたので好判断だったみたい。アンテナを高めてフットワークを軽くしていけ。

カウンターで予約の本を受け取るときの重量にまずビビった。四六判640ページ。デカすぎ分厚すぎで正直読み切れるか自信なかったけど、ちゃんと2週間で読み切れた、安堵。

物語の舞台は日露戦争~太平洋戦争期間の満州の都市。作者はSF畑の人って聞いてたから、そういう中身を想像してたんだけど、今作はどこがフィクションでどこが史実なのか不勉強な俺だとわからんくらいガチガチの歴史小説だった。巻末にある参考資料表がちょっとした新書の倍くらいあったもんね。

ただし640ページの歴史ものとはいうものの、中身は引き締まっていてグダグダになることもなく、ぐいぐい読まされた。

主人公として物語の最初から最後まで中心になる人物がいるわけではなく、ある都市にかかわる日本・中国・ロシアの各々の人間の視点で都市の興亡が淡々と描かれていく。

日露戦争後に戦果として満州の地を得ることを狙った日本は国家として成立させるために都市をつくることを目指すが、そこにはもともと住んでいた中国の人もいて、ロシアも黙って見ているわけではない。

嘘くさい派手な描写はないけど、ひたすら冷酷にそれぞれの立場・思想を貫くための動きを見せられる。複雑な関係が絡み合っていく様が面白かった。

最後にはご存じのとおり太平洋戦争の終結とともに満州国も終わりを迎えるわけで、作中でも最後はそこに帰結していく。

成立していた期間が短かった満州国は、高校の日本史レベルだとその成立と解体っていうのは詳しく説明を特にされなかったと思う。だからそこにあった苦労や達成感、散りざまっていうのを想像することがなかった。ポンと生まれてサーッと消えたと思い込んでいた。

そこで都市の興亡をフィクションを交えて扱うことで、「満州国の成立と解体」と「個人レベルでの戦勝と敗戦」を入れ子にして描き切っているのはとても上手いと思った。

どこどこが面白かった!あのシーン盛り上がったよね!とかじゃなく全体を読んで改めてよかったな~と思わされた。間違いなくおすすめ。

 

ポケモンストーリー(絶版かも、Amazonプレ値だったからリンクなしで)

バチクソに世代ドンピシャだから、俺はポケモンが大好き。

緑を最初に買ってもらってフシギダネと冒険をして、気づけば赤も青も黄も買ってもらっていたし、もちろん初代以外も全世代やった。

初めて映画館に連れて行ってもらったのは、今はもう潰れちゃった町に唯一の映画館で上映されてたルギア爆誕のときだったって覚えてるし、鍵っ子だったころに繰り返し見たアニポケのことも忘れない。高校の頃授業中にDSで対戦してた(ごめんなさい)ときに、6v6で桜庭が受けループ出してきて古典の時間丸々対戦しても終わらなかったのもたまに思い出すし、ほかにもいろんな思い出をポケモンにもらってきた。

今でも最新作スカーレットも買ってポケモン図鑑も揃えたし、いい歳してぬいぐるみも机に飾ってるし、会社ではブラッキーのタンブラーを使っている。

そんな大好きなポケモンがどうやって生まれて、どうやってここまで巨大なコンテンツになったかを当事者の視点から伝えてくれる本。

ひとことで言うと、ポケモン、作ってる人にも愛されすぎてて泣いた。

ポリゴンショックのくだりもあったんだけど、まじで泣いた。乗り越えられてよかった。これからもずーっと買うから100年続いてほしい。

ポケモンが好きなら読んだらもっと好きになるし、キャラクタービジネスをしている人には参考になるだろうし、唯一無二の本だと思う。読みな

 

 

2冊とも結構分厚かったのもあって今週はとりあえず2冊だけ。

反動で軽いのを読んでるので来週は冊数増えそうだけど、載せる数少ないとちゃんと感想書く気になっていいかもしんない。